つくで交流館には、年間通して、新城東高校作手校舎より様々なお花が届けられます。この冬も、作手校舎で大切に育てられた色とりどりの「シクラメン」が届けられ、飾られています。
図書室の円卓に飾られているのは、真っ赤なシクラメンです。
水曜日の夕方は、そろばん教室に来る子ども達が図書室に寄って、読書したり宿題をしたりしていきます。今日は数人の女の子がこの円卓を使っていました。
最後、一人残って学習をしていた女の子が帰り支度を始めました。ランドセルを背負った後、円卓の上に残された消しゴムのカスを手で拾い集め、座っていたイスのまわりも足もともよく見まわして、ゴミが落ちていないか確かめてから、イスをしまっていました。
(まあ、こんなふうに使った後を見回せるなんて、なんて素敵な小学生・・・)
その姿があまりに自然で、とても穏やかで美しく感じられたので、つい嬉しくなって、近くにあるごみ箱を差し出して、
「きれいに片づけてくれてありがとう。」
と思わず声をかけました。
女の子は、一瞬、ハッとびっくりした様子でしたが、手の中の消しゴムのカスをゴミ箱に入れると、
「さようなら。」
と言って、帰っていきました。
シクラメンは周りを明るく暖めてくれるようで、いつでも私たちの心をホッと和ませてくれます。今日、こんなふうに心をふわっと暖めてくれるような瞬間に出会えたのも、このシクラメンの効果なのかもしれません。
いえ、たぶん、あの女の子は、普段通りの片付けをしただけなのでしょう。でも、その瞬間を見る機会が私にはなかったので、その機会をくれたのが、真っ赤なシクラメンだったと思いたいです。
シクラメンのある図書室、シクラメンのある空間、お花のある世界、もっともっと増えるといいです。