年中行事の一つに、「えびす講」があります。えびす講とは、文字通り恵比寿様を祀る行事で、一般的に10月20日または11月20日に行われているようです。恵比須様は、全国の神様が出雲で出向く「神無月」(10月)の間、留守を守る神様として民間信仰されてきたそうです。また、商売繁盛の神様とされ、商いには欠かせない神様です。農村では、五穀豊穣をもたらす神様として信仰されてきたようです。
今年は12月4日(金)が旧暦の10月20日にあたり、「旧えびす講」の日だったのですが、月初めに暦の確認をしなかったので、当日の朝日めくりをめくった際に気づきました。
我が家では、旧暦に沿って年中行事を行うことが多く、この日は慌ててお供えの材料がそろうかどうか確認をしました。お供えは年越しの料理と同じで、「尾頭付きの魚(生)」「根菜と油揚げの煮物」「菜飯」と決まっています。年越しの時の歳神様用は、鯛を「煮魚」にするのですが、恵比寿様は留守を守る神様だからか、火を入れない「生魚」をお供えします。
この日の夕食は、お供えと同じものをいただきます。大なべに、里芋、大根、人参、ゴボウ、家族人数+神様分の枚数の油揚げを切らずに入れ、縦切りのちくわと糸昆布も必ず入れて煮ます。魚は、煮魚にします。
煮物に使う食材はいつでも手に入りますが、尾頭付きの魚となると、田舎のお店では、いつでもというわけにはいきません。
20年くらい前は、近くの商店でも「えびす講」のためにたくさんの「鯛」が店頭に並びましたが、今では尾頭付きの魚を見ることもなく、「えびす講」の言葉さえ聞かなくなってしまいました。
かろうじて、冷凍保存しておいた魚でなんとか料理できました。お供えには鯛を、夕食用にはクロムツを煮ました。
今年は、どうも季節感がなくて、いかんいかん…と反省です。
「えびす講」を終えると、一気に「師走」感が高まります。いろいろあった1年ですが、日々の暮らしに感謝し、年末に帰省する子どもたちの笑顔を楽しみに、2020年の残りの日々を過ごしていきたいものです。
どこかから聞こえてくる、♫今年の汚れは今年のうちに・・・ やっぱりまずは片付け、大掃除からですね、やらなきゃ‼