我が家では、毎年行う年中行事がいくつかあります。
特に秋から冬にかけては、収穫を感謝する意味合いからか、自宅で穫れたお米や野菜を使って作った料理をお供えするものが多いです。
10月は、第2又は第3の亥の日に、「亥の子餅」といって大きなおはぎを作ってお供えをします。握りこぶしよりも大きなおはぎを一升桝に入れて仏様に、通常の大きさのおはぎをお供え用の木皿にのせて、神様各々にお供えします。
味は2色。きな粉とあんこをまぶしたものです。
食材のもち米とうるち米(ミネアサヒ)はもちろん自家製、あんこも自家製の小豆で作ったもの(おばあさん仕立て)を使います。
「亥の子餅」とは、無病息災、子孫繁栄を願う意味合いがあるそうです。また、「亥」は火災除けのお守りとされるため、この日から暖房器具を使い始める(昔は炉を入れる)とよいと言われているそうです。
秋の収穫の時期に行われるので、農家を中心に広がり、収穫を感謝する行事の一つとなっているようです。
お供え後は、この亥の子餅を夕食にします。おかずは畑で穫れた野菜をたっぷり入れた豚汁と野菜の煮物、漬物が定番です。
この日使った自家製野菜は、じゃがいも、長ネギ、甘長南蛮、大角豆(ささぎ)、お味噌も自家製大豆でつくった手作り味噌です。山から採ってきたキノコが入らなかったのがちょっと残念ですが、味はおいしくできました。
毎年、田んぼの仕事がすべて終わって「亥の子餅」を終えると、夜の冷えがぐっと強くなり、秋が深まるのを感じます。「冬」を意識するようになるっていうのかな?!周りの山々も色づき始め、きれいな紅葉を見せてくれるようになります。
新型コロナの影響で季節感なく過ごしがちだった1年ですが、変わらない年中行事に改めて季節の移り変わりを教えられます。
年中行事にはいろいろ由来がありますが、昔の人たちが毎年変わらない慣わしを行うことで、「自然の恵みに感謝し、日々の暮らしを大事に過ごす」心を尊んできたんだろうなあと思います。
目まぐるしく移りゆく現代の中でも変わらない大切なこと-
繰り返される日々の暮らしの中に、たくさんの思い出の中にあるのかもしれませんね。