作手の自然記録会の今年度第1回目の自然観察会は、「長ノ山湿原トンボ観察会」です。当初は5月中旬で予定していましたが、新型コロナ感染の緊急事態宣言発令中だったため、延期して6/18(木)に行いました。
講師は、かつて作手にお住まいで、湿原保護を活動されていた、トンボ博士の内藤信司さんです。この日はあいにくの曇り空で、雨の降り出しも早かったため、期待していた数のトンボを見られませんでしたが、湿原ならではのトンボや、トンボ以外の昆虫や植物を見ることができました。
○モノサシトンボ♂
○モノサシトンボ♀
○モノサシトンボ 羽化したて(たぶんオス)
羽化したてのものは色が薄く、どちらも薄茶系で区別がつきにくいです。胴体の第8節9節に色があるのが♂だそうです。
○モノサシトンボの産卵…上にまっすぐ立っているのが♂。下が♀。
○クロイトトンボ♂
○ハラビロトンボ♀
種類や雌雄の見分けは、色や形だけではなかなか判断できません。体長や胴体の太さ・模様、羽の斑点や根元の色、アゴや目・尾の形などを参考にします。大型のトンボなら飛んでいてわかるものも多いですが、小型でしかも湿原でしか見られないようなトンボは、なかなか見分けられません。小さなトンボは、内藤さんがトンボ捕獲専用の網でトンボを捕らえ、間近に見せて説明をしてくださいました。(もちろん、説明後は自然に返しました)
参加者の皆さんは、普段からあちらこちらの自然観察をされており、湿原の植物や山野草、昆虫など、それぞれ得意な分野をお持ちです。トンボ以外の昆虫や植物も、昆虫博士や植物博士に聞いて、名前や特徴などを教えていただきました。観察場所を移動するときでも、道端の草花や森の入り口のシダなどを説明してくれる方もいて、参加者同士のおしゃべりそのものが「作手の自然ガイド」となっていました。
○イチモンジセセリ(蝶々の仲間)
○名前不詳 (蛾の仲間?)
○コヒロハハナヤスリ
○ヒツジグサ
○アカバノアキノタムラソウ
○コアジサイ
普段気にも留めない道端の草花が実はとても珍しいものだったり、湿原で当たり前に飛んでいる昆虫が絶滅危惧種だったりするのですから、ワクワクせずにはいられません。解散後に、他のトンボや植物を求めて場所を移動するメンバーもありました。トンボ好き、蝶々好き、山野草好き、シダ好き…、自然愛好家同士、いろんな情報交換をしながらのおしゃべりタイムは、楽しくてなかなか終わりにならないようでした。
次回のトンボ観察会は、9月27日(日)を予定しています。そのほか夏の植物観察会、秋のキノコ観察会も予定しています。ぜひ、ご参加ください。