作手の中央部に位置する清岳向山湿原では、湿原特有の植物や昆虫が見られます。
今、見ごろを迎えているのは、「ミカワバイケイソウ」。背丈1mほどになるゆり科の植物で、生成り色の花をたくさんつけています。
三河地方の湿原でしか見られない植物で、清岳向山湿原のほか、長ノ山湿原でも見られます。
以前に比べて、数が減っているのが気になるところです。作手地区の湿原は、どこも乾燥化してきており、すでに消滅してしまった湿原、湿地もあります。
訪れた日に運良く出会えたのは、絶滅危惧種になっているチョウ「ヒメヒカゲ」です。
体長は3cmほどで、湿原の草むらに隠れるように留まっていました。地味な色合いですが、羽にくっきりとした金環の黒い模様があるのが特徴です。3連の輪と1つの輪が主のようですが、時には数が多いのもあるみたいです。
トンボももちろんいました。この日、すぐに出迎えてくれたのは、「ハラビロトンボ」のオスです。じっとこちらを見て、訪問者チェックといったところでしょうか。
シオヤトンボの姿も多く見られました。シオカラトンボより小ぶりで、胴体に黒色がないせいか、シオカラトンボよりおとなしく見えます。この時期は、シオカラトンボよりシオヤトンボの方をよく見かけます。
トキソウはまだのようでした。が、すぐに見られるようになるはずです。
ここ清岳向山湿原は、地元の自然愛好家の方々が保全活動を行っています。木道が整備されているので、湿原特有の貴重な動植物を間近に見られるのがうれしいです。
古民家風の喫茶店「やまりんどう」さんのすぐそばにあるので、「やまりんどう」の看板を目印に訪れてみてください。