大寒を迎え、いよいよ味噌づくりの季節になりました。
今日、我が家では、1年分の50kgの味噌を作り終えました。お味噌汁だけでなく、夏にはきゅうりに、今なら大根、人参のスティック状の野菜に付けて食べ、和え物にも使うので、大量のお味噌が必要です。「手前味噌」と言われようが、私の作った味噌が一番美味しいと孫たちにおだてられ、頑張ります。
まず、2,5kgの大豆を前日から水に浸しておきます。毎年、大豆は作手で採れたものを使っていたのですが、今年はどの家でも鹿に食べられ、手に入らないのが残念でした。
翌日、水で軟らかくなった豆を圧力鍋にかけ、沸騰してきたら火を弱めて、30分間、圧をかけます。そのあと火を消し、自然に圧が下がるのを待ちます。
その間に、2,5kgの米麹と、900gの塩を混ぜ合わせておきます。使う米麹も、作手産のミネアサヒを使って、地域のおばさんグループが作っているものです。
煮えた豆は、圧力鍋から取り出し、つぶします。私は餅つき機の味噌用の羽を使いますが、ミキサーでつぶしたり、いろいろな方法でつぶしています。このつぶした豆が、人肌くらいの温度になったら、用意しておいた米麹と塩を入れてしっかり混ぜていきます。この時の温度がポイントだと教えてもらいました。熱いうちに麹を混ぜてはいけないということのようです
十分に混ざったら、ボール状の玉にして、容器に投げ込んでいきます。容器は事前にアルコールで殺菌しておきます。
投げ込むときは思いっきり容器の壁にぶつけ、玉が崩れお互いによく密着するように投げることも、大切だということです。そうすることで、空気の隙間を作らず、カビを防ぐのです。
容器に詰めたら平らにし、ほんの少量のアルコールで表面を殺菌します。サランラップで覆い、周りに塩を置いていきます。平らな表面の、容器との接触部分からカビは生えやすいので、塩をここに置きます。これで完成。
ここに書いたのは、私の白味噌づくりです。作手地域では多くの家庭で 味噌を手作りしており、材料の分量もそれぞれ違うようですが、「手作りの味噌は断然おいしい」というのが皆さんの一致した意見です。だからこそ、大変手間のかかる作業もできるのです。
味噌づくりをやってみたいという方は、作手道の駅「手作り村」か、百姓小屋「生田」に問い合わせたら、体験できると思います。寒のうちの作業ですので時期を逃さずお問い合わせください。
赤瀬川原平の「老人力」を読んでいたら、都市と田舎の決定的違いは「自給自足」ができるかどうかだという一文がありました。確かに私はこの自給自足の暮らしに魅力を感じながらここでずっと生きてきたのだと思いました。