作手菅沼の津島神社大祭には、獅子舞や御神輿などお祭りの伝統儀式的なものはありませんが、毎年、こんなに人が居たっけ?と思うくらいの人が集まって、にぎやかに開催されています。
神事だけで終わらずに、にぎやかな地域総出のお祭りになっている理由は、神事の後の「余興」にあります。
境内にある舞台を使って、若連主催の余興(住民によるカラオケや手品などのパフォーマンス、早飲み競争や組対抗ゲーム、ビンゴゲームなど)が行われるのです。
また、境内にテントが張られ、焼き鳥やどて煮、焼きそばやみたらし団子などの食べ物や飲料が販売されます。小さな子ども達のお楽しみに、金魚すくいやお宝くじ引きなどのおもちゃも用意されます。
こうした余興やバザーを準備し、実践しているのは、地元に住む若連とそのOBの皆さんです。そして、普段は作手に住んでいないけれど、お祭りのために帰ってきて率先して働いてくれる「帰省組」若連の若者たちです。
カラオケを盛り上げ、ゲーム参加者を呼び込み、舞台上の人も舞台下の人も知っている「若連」だからこそできる紹介や小ネタ披露をして、お年寄りや嫁いできたばかりのお嫁さんやお婿さん、遊びに来ている子ども達まで、みんなが参加して楽しめるように、あちこち気を配って進めてくれます。
「やっとかめだのん。元気だったかん?」
「あの子は誰だん?え?もうあんなに大きくなっただかん。」
「あれは、あそこの子だらあ。親そっくりだでわかるわ。その横はお嫁さんかい?」
「よう来ておくれたねえ。最後まで楽しんでおいきんよ。」
境内では、再会を喜ぶ声や驚きの声が聞かれ、いつものごとく、「どこの人」会話が飛び交っていました。
どこにいても、赤ちゃんや子ども達のお客は嬉しいものです。小さくてやわらかな命に触れ、笑顔がこぼれる瞬間があちこちで見られました。
お祭りの最後は、お祭りくじのダブルチャンス、トリプルチャンスをして、定番の餅投げで締めくくりです。
今年も、故郷「菅沼」を愛し、住民総出のお祭りをみんなで盛り上げようと奮闘してくれた、若連の皆さん、帰省組の若者たち、それを支える若連OBの皆さんのパワーで、たくさんの笑顔にあふれ、元気を分け合えたお祭りになりました。
嫁いで二十数年、変わりつつある地域を見ながらも、変わらない住民の「郷土愛」に触れた気がして、胸の奥があたたかくなりました。
若連とそのOBの皆さん、帰省組の皆さん、皆さんの力はすごいです! 大変お疲れさまでした!